極上社長と結婚恋愛
「へぇ、今義理のお兄さんと暮らしてるんだ」
目を丸くした夏美にうなずく。
ふたりの休みがあった木曜。カフェで一緒にランチをしながら近況を話すと、ものすごく驚かれた。
「あの男嫌いなあずさが、同棲ねぇ……」
「ど、同棲じゃないし」
夏美の言葉をぶんぶんと首を横に振って訂正する。
同棲ではなくただの同居だ。
ただ、直哉さんのストレートな愛情表現のおかげで、まるで新婚生活のような甘い毎日だけど。
「お兄さんって何歳? なんの仕事してるの? かっこいい?」
前のめりに質問され、苦笑いしながら首をかしげる。
「えっと、三十三歳っていってたかな。IT系の会社の社長さんって」
「社長! すごいね。なんて会社?」
「TKクリエイションって言ったかな」
私の答えに前のめりだった夏美が、今度は大げさに身を引く。
「知ってる」
のけぞるように言われ、私は驚いて目を瞬かせた。