極上社長と結婚恋愛
 

会場に設置されたカメラが来場者の年齢や性別を自動で識別し、プロジェクターで投影されたキャラクターが登場し会話をはじめる。
その人が興味を持ちそうなジャンルをAIが考え、会場内のあちこちに並べられた商品のことろまで案内してくれるというもの。

そのシステムを手掛けたのが、直哉さんの会社、TK・クリエイションだ。
こういった企業のイベントだけではなく、行政や世界規模のプロジェクトにも参加しているらしい。

「すごい……」

IT系、なんてざっくりとした認識だったけど、ネットだけでなくこんな仕事をしているなんて、知らなかった。

「その上、社長も副社長も若くてかっこいいという点でも話題」

夏美が指した写真の中には、イベントのステージ上でマイクを持つ直哉さんの姿があった。

「あ、本当だ。直哉さんだ……」

家で見せる柔らかな笑顔ではなく、よそいきの引き締まった表情。

「なんだかあずさ、とんでもない人と兄妹になったね」

夏美のその感想に、ぼうぜんとしながら頷いた。




 

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