極上社長と結婚恋愛
 

頷くと、話を聞いていた緒方さんが「あぁ」と納得したようにつぶやいた。

「直哉が作ってる花屋のホームページ、妹の店なのか」
「あ、そうなんです。すみません、忙しい直哉さんに甘えてしまって」

私が慌てて頭を下げると、「いや」と緒方さんは無表情のままかぶりをふる。

「別にそのくらい業務の支障にならないし、プライベートの時間にこいつがなにしようが問題ない」

社長の仕事の邪魔をするなと怒られてしまうかと思ったけれど、緒方さんはぶっきらぼうにそう言ってくれた。

「ほら、緒方もそう言ってるし、あずさちゃんは遠慮せずにもっと俺に甘えてくれていいんだよ」
「そんな、これ以上甘えられません。部屋に住まわせてもらってるだけで、十分迷惑をかけてますし」

タダで住まわせてもらうのは悪いからと、毎月少しだけお金を受け取ってもらっているけど、この部屋の家賃を考えればそんなの気休め程度でしかない。

これ以上彼に甘えて頼るのは、好意を利用しているみたいで申し訳なくなってしまう。


 
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