極上社長と結婚恋愛
 

「俺だってあずさちゃんに毎朝起こしてもらってるんだから、気にしなくていいよ」
「でも……」

私が困っていると、緒方さんが不思議そうに首をかしげた。

「毎朝わざわざ直哉を起こしてやってるのか」
「あ、はい。直哉さん、朝に弱いので」

私が頷くと、緒方さんが意味ありげな視線を直哉さんに向ける。

「……お前、朝弱かったんだな」
「そう。寝起きが悪くて困ってるんだよね」

にっこりと笑った直哉さんに、緒方さんがあきれたように肩をあげた。
そして、私のことを見て苦笑する。

「妹、こいつ息を吸うみたいに女を口説くから気をつけろよ」

緒方さんの言葉に私が目を瞬かせると、今度は直哉さんが苦い笑いを浮かべた。

「緒方。人聞きの悪いことを言うなよ。あずさちゃん、気にしなくていいからね」

直哉さんに笑いかけられ、あいまいにうなずく。

確かに、直哉さんはいつも息をするみたいにさりげなく私を口説いてくれるから、どうしていいのかわからなくて困る。


 
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