極上社長と結婚恋愛
「そういえば、せっかく店のホームページ作るんだから、地方発送もするようにしたいいと思うんだけど、どう?」
「いえ、お花の宅配は低温管理してくれるところじゃないとだめですし、専用の梱包材や緩衝材とかも用意しないといけませんし……」
「そのへんの業者は繋がりがあるから、もしやる気があるなら俺から話を通してあげるよ」
直哉さんの提案に、少し悩んで首を振った。
「ありがたいですけど、そこまで甘えられません。自分のお店ですし、今は手の回る範囲からきっちり頑張っていきたいです」
私が言うと、直哉さんが残念そうに小さく肩をあげた。
「でも、気にかけてもらえてうれしいです。ありがとうございます」と深く頭を下げると、そのやりとりを見ていた緒方さんが「ふーん」と小さくつぶやいた。
「見た感じもっと頼りない女かと思ったけど、意外としっかりしてるんだな」
緒方さんが言いながら、手をこちらに伸ばす。
日に焼けた大きな手のひらが私の頭に近づき、思わず肩を強張らせる。