極上社長と結婚恋愛
 

髪に指が触れる直前で、その手が止まった。

「あずさちゃんは俺のだから、気安く触っちゃだめだよ」

穏やかだけど、反論を許さない強い口調。
不思議に思って視線を上げれば、直哉さんが緒方さんの手首をつかんでいた。

「俺の『妹』だから、だろ?」

手首をつかまれたまま、緒方さんが呆れたように笑う。
そして掴まれた手をほどき、視線を私に向けた。

「妹、過保護な兄貴がいると大変だな」

面白がるような口調に、私は戸惑いながら首をかしげた。





 

< 138 / 265 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop