極上社長と結婚恋愛
「父の建設会社にいたころからの同僚でね、VRを使ってプレゼンテーションをしていた部署を子会社として独立させる時もずっと一緒に頑張ってきた仲間なんだよ」
「すごく親しそうですもんね」
私の言葉に直哉さんが優しく頷く。その表情にドキドキしながら口を開いた。
「そういえば、今日直哉さんのお仕事が雑誌に紹介されているのを見ました。家電メーカーの新製品発表会イベントの。すごいですね」
「普段は経営に専念してるんだけど、今回は久しぶりに現場にも携わって楽しかったよ」
きっとお仕事は忙しいけど楽しんでいるんだろう。充実した表情で笑いこちらを見る。
「あずさちゃん、おいで」
当たり前のように呼ばれ、緊張しながら直哉さんに近づいた。ソファに腰かける彼の横にちょこんと座り息をひそめる。
「手を出して」
最近は、毎晩直哉さんが私の手にハンドクリームを塗ってくれるのが日課になった。