極上社長と結婚恋愛
母のために作ったブーケやヘッドドレスを写真に撮り、関係者に紹介してくれたらしい。
『売り込み用に、いくつかウエディングブーケのサンプル作ってみたら? 私撮影してあげるから』
「ありがとうございます!」
電話では見えないのに、思わず深く腰を折って頭を下げる。
感激しすぎたのか頭がのぼせてしまったようにくらくらして、はぁーっと長く息を吐き出しながら電話を切ってソファに座り込む。
「あずさちゃん、どうかした?」
その様子を見ていた直哉さんが、不思議そうに首をかしげた。
「フォトグラファーの桜木さんが、売り込み用に私のブーケを撮影してくれるって言ってくれました!」
「へぇ、よかったね。じゃあこれから忙しくなるのかな」
「そうですね。これからブーケを作ったりヘッドドレスを作ったり……。なるべく邪魔にならないように部屋で作業しますから」
そう言うと、こつりとおでこを小突かれた。
「そういう気は使わなくていいからね。ここはあずさちゃんの家なんだから」
至近距離で睨まれて、小突かれたおでこにふれながらおずおずとうなずく。
「……ありがとうございます」
「うん」
お礼を言った私に、満足そうにうなずいて直哉さんが微笑んだ。