極上社長と結婚恋愛
「すごく気持ちが明るくなりました。本当に素敵な場所につれてきてくれてありがとうございます」
「よかった。最近あずさちゃん、睡眠時間が減ってるみたいだったから少し心配してたんだよね」
その言葉に不思議に思って視線を上げれば、包み込むような優しい視線が絡んだ。
「あずさちゃんは頑張りすぎるとまず睡眠時間が短くなって、それから食が細くなるから気を付けてあげてって晴美さんから言われてたから」
「す、すみません……!」
一緒に住まわせてもらうだけでも心苦しいのに、私の体調管理まで気遣うようにお願いしていたなんて、どこまでも過保護な母で直哉さんに申し訳なくなる。
「なんて気遣いはただの口実で、本当はあずさちゃんとデートがしたかっただけなんだけどね」
油断していたところに甘くささやかれ、私は飛び上がる。
真っ赤になった私を見て、直哉さんはいたずらな表情で肩をゆらした。
私が申し訳なく想いわないように、さりげなく冗談めかしてくれてる。
その優しさを感じて胸が温かくなる。