極上社長と結婚恋愛
「帰ってきた?」
上目遣いの夏美に聞かれ、笑いながらうなずく。
「ただいま」
リビングに入ってきたスーツ姿の直哉さんに、夏美の背筋がさらにのびた。
「直哉さん、おかえりなさい」
「おじゃましてます! あずさの友達の夏美です」
夏美の食い気味のあいさつに、直哉さんは「いらっしゃい」と柔らかく微笑み会釈する。
「頑張ってるかなと思って、お土産買ってきたよ。少し休憩したら?」
そう言って手に持った白い箱をかかげてみせる直哉さんに、夏美が「わぁい」と手を上げる。
さっきは緊張するなんて言ってたくせに、もうすっかり自然体の夏美にくすくす笑いながら立ち上がる。
「ありがとうございます」
お礼をいいながら箱を受け取ろうとすると、意地悪するように手を上げられた。
首をかしげると、にっこりと笑う直哉さん。
「座ってていいよ。俺がお茶をいれるから」
「でも……」