極上社長と結婚恋愛
 

「そうやって思い切り首を振ったら、せっかくセットした髪が崩れちゃうよ」
「あ、そうですよね」

焦って動きを止めた私を見下ろして、直哉さんが目を細める。
ゆっくりと腕を持ち上げて、ヘッドドレスをつけた私の髪にそっと触れた。

「すごく綺麗だね。あずさちゃんの綺麗な髪に白いガーデニアが似合ってる」
「あ、ありがとうございます」

ストレートな誉め言葉に緊張して思わず視線を落とすと、あごを指ですくいあげられる。

「そうやってうつむかないで、よく見せて」
「……はい」

おずおずと顔を上げた途端、甘い視線に見据えられてじわじわと頬に熱が集まる。

その赤くなった頬に、直哉さんの指が触れた。熱くなった体温を確かめるように輪郭を指でなぞられ、余計に頬がほてってしまう。

「こらこら、新婦をそうやって照れさせないの。メイク直ししなくちゃいけなくなるでしょ。もうすぐ準備が終わるからもうちょっとお利口に待ってなさい」

カメラの調整をしていた桜木さんのからかうような声に、はっと我に返る。

「怒られちゃったね」

動揺する私とは反対に、直哉さんが楽しげに肩を上げる。
 

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