極上社長と結婚恋愛
「だって、いつもあんなに好意が溢れた表情で見つめられて、その意味に気づかないほど俺は鈍感でも卑屈でもないよ」
「わ、私、そんな表情してましたか……っ?」
直哉さんの言葉に、思わず目を見開く。
「してたよ、ずっと。たぶん、あずさちゃんが自分で自覚するよりも前から気づいてた。それに好かれてる自信もないのに、一方的に告白して追い詰めるようなことをしないよ」
恥ずかしくて、頬かぶわっと熱くなる。
「意地悪……。それならそうと言ってくれたらいいのに……!」
私の気持ちに気づいているなら、告白の答えを待つなんて回りくどいことしなくてもよかったのに、と直哉さんを睨むと彼が甘く微笑んだ。
「でも、ちゃんとあずさちゃんに考えて答えを出してもらいたかったから」
耳元でささやきながら、私の頬を指でなぞる。
「たくさん悩んだ?」
「……悩みました。本当に」
直哉さんの問いかけに頬を膨らませたままうなずくと、「そっか」と優しいまなざしでみつめられる。