極上社長と結婚恋愛
「あ、あの……、すみませんっ!」
直哉さんに抱き上げられたまま恥ずかしさのあまりパニックになった私に、桜木さんはからかうように笑い肩を上げた。
「大丈夫。こっちはウエディング専門の撮影スタッフなんだから、新婚夫婦のいちゃつく姿なんて見慣れてるし」
顔から火が出そうになりながら直哉さんの腕の中から降ろされる。
「撮影の準備もできたから、そろそろはじめてもいい? さっきの続きは撮影が終わってからにしてね」
桜木さんの言葉に、さらに顔を赤くするとスタッフさんからくすくすと笑われてしまった。
恥ずかしさのあまり顔をあげられないでいると、ぎゅっと手を握られた。
わずかに視線を上げると、直哉さんに甘く微笑みかけられる。
「じゃ、撮影がんばろうか」
直哉さんの言葉にうなずいて歩き出す。
愛おしさと幸せと喜びで、じわりと胸が熱くなった。