極上社長と結婚恋愛
 

「福原さん、結婚したんですね」
「いえ、あの……」

実際の結婚写真ではなくて、ブーケのサンプルのための写真だと説明しようとした時、カウンターの上の電話が鳴った。

「あ、すみません」

工藤さんに謝ってから受話器に手を伸ばす。

『もしもしあずさちゃん? 桜木です』
「あ、桜木さん。いつもお世話になってます!」

フォトグラファーの桜木さんからの電話に、思わず背筋を伸ばす。

『今少し話しても大丈夫?』

そう問われお店を見回せば、さっきまでいた工藤さんがいなくなっていた。

帰っちゃったのかな。まとめておいた枝を渡そうと思ったのに。
不思議に思いながら頷く。

「はい、大丈夫です」
『この前撮ったサンプルの写真を見て、ブーケや花冠と一緒に会場全体の装花をあずさちゃんにお願いしたいってお客さんがいるんだけど、どうかな?』
「会場の装花をですか……?」

予想もしてなかった言葉に、目を見開いた。


 
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