極上社長と結婚恋愛
「ごめんね。俺の帰りが遅くてさみしかった?」
甘やかな問いかけに、慌てて首を横に振る。
すると「俺がいなくてもさみしくないんだ」なんて試すような視線でからかわれて頬が熱くなる。
いつも一緒にいるのに、いちいちからかわれて動揺してしまうなんて、少し悔しい。
「私は直哉さんの心配をしてるんですよ」
ふてくされて頬を膨らますと、「ありがとう」と素直に微笑まれ調子がくるってしまう。
「ホテルのオープニングのイベントで慌ただしくてね。それが終われば少し落ち着くから、大丈夫」
ずっとこの調子で忙しいわけじゃなく、今だけなんだ。
ほっとして肩を下ろすと、長身がこちらに近づいた。
見上げれば視線が絡み、思わず緊張して息をのんだ。
ごくりとのどが鳴った音が聞こえたのか、直哉さんが小さく笑う。
「明日も早いんだし、あんまり無理をしちゃだめだよ」
優しくそう言って、私の頬にキスをしてくれた。