極上社長と結婚恋愛
「……はい」
私が素直にうなずくのを見てから、直哉さんはバスルームへと歩いていく。
ひとり広いリビングに残され、こっそりとため息をついた。
直哉さんに好きだと自分の気持ちを伝え、私たちは両想いになった。
恋人同士に、なれたんだと思う。
だけど、優しく額や頬にキスをするだけで、直哉さんはそれ以上のことをしてくれなかった。
「こどもだと、思われてるのかな」
直哉さんの唇の感触の残る頬を、そっと指でなぞりテーブルにつっぷした。
「それとも私に魅力がないから、手を出す気にならないのかな……」
心に秘めていた想いを口に出すと、さらに不安が増してしまった。