極上社長と結婚恋愛
私はもう一度、明るくなった天井を見上げた。
まるで夢を見ていたみたいだ。
美しい映像がお義父さんの言葉と一緒になって、胸にしっかりと刻み付けられていた。
高揚感のせいか、鼓動が早い。
「来てたんだ」
背後から聞こえてきた、笑みを含んだ柔らかい声。
慌てて振り返ると、いつの間にか直哉さんが立っていた。
「直哉さん!」
「親父とあずさちゃんふたりなんて、珍しい組み合わせだね」
「ちょうど閉店間際にあずさちゃんのお店に寄ったから、そのままデートに誘ってしまってね」
お義父さんと私の顔を見比べながら言った直哉さんに、お義父さんが楽しげに笑う。
「親父とのデートは楽しかった?」
くすくすと笑いながら問われ、私は興奮しながら口を開く。
「直哉さん、すごく素敵でした! 夢を見てるみたいでした。最近忙しかったのは、このお仕事をしてたからなんですね」
前のめりでそう言った私に、直哉さんは頷いた。