極上社長と結婚恋愛
「その花、部屋につるすの?」
「はい。ドライフラワーにしようと思って」
「リビングの方につるしてもいいんだよ」
「このくらいの量なら、私の部屋で大丈夫です」
そう言って首を横に振ると、直哉さんは私の手からカスミソウの花束を優しく取り上げる。
部屋に入ってもいいか確認するように首を傾げられ頷いてドアを大きく開くと、背の高い彼は台も使わず軽々と窓辺にカスミソウをつるしてくれた。
「あ、ありがとうございます」
「場所が必要なら、遠慮しないでリビングでもどこでも花をつるしていいからね」
優しい心遣いに、思わず口元がほころんでしまう。
「ありがとうございます。でも、お店でもドライフラワーにできるので、今のところ大丈夫そうです」
「お店に?」
生花で埋め尽くされたちいさなお店を思い浮かべたのか、直哉さんは不思議そうに首をかしげた。