極上社長と結婚恋愛
お店の定休日の木曜日、直哉さんと約束した夕方に会社へと向かった。
時間は十八時近くで、もう仕事を終え退社する社員の姿がちらほらと見える。
ここへ来るのは二回目だけど、あいかわらず立派なビルに気後れしてしまう。
少し緊張しながらエントランスの受付に行き、社長の直哉さんと約束をしていることを伝える。
受付の女性が確認の連絡をしてくれるのをそわそわしながら待っていると、私服姿のふたりの女子社員が歩きながら話しているのが聞こえてきた。
「ついに社長も結婚かぁ」
その言葉に、驚いて聞こえてきた方を振り返ってしまう。
「もう婚約者と一緒に両親に結婚のあいさつをしてきたらしいよ」
「私ずっと社長に憧れてたのにー!」
がっくりと肩を落とした彼女に、となりにいた子が苦笑いしながら肩を叩く。
「仕方ないよ。あんなにいい男が今まで結婚してなかった方が奇跡なんだから」
「確かにそうだけど」