極上社長と結婚恋愛
「あずさちゃん。ここは病院なんだから、あんまり俺をあおるようなこと言っちゃだめだよ」
「あおったつもりはないんですけど……」
おろおろしている私を見つめて、直哉さんが小さく笑う。
「じゃあ、キスしてもいい?」
あらたまって宣言されると、どうしようもなく恥ずかしくなってしまう。
「……はい」
真っ赤になってうなずいた私に、直哉さんが長身をかがめゆっくりと顔を近づけてきた。
唇が触れる前にまず鼻先が触れ、緊張と動揺でぴくりと飛び上がると、至近距離で直哉さんがいたずらに笑う。
その表情に思わず私も肩から力が抜け小さく笑うと、今度こそ唇が重ねられた。
柔らかく触れた唇の皮膚はおどろくほど敏感で、直哉さんの唇の温かさに背筋が甘くしびれる。
優しく触れるキスを何度かされ、体から力が抜けていく。
思わず目の前の肩にしがみつくと、直哉さんがのどの奥で色っぽく笑った。