極上社長と結婚恋愛
 



「いただきます」

向かい合って手を合わせる。

今日の朝ごはんは、直哉さんが用意してくれたオムレツとサラダとスープ、そしてこんがりトーストされたパン。

以前は胃が膨れればいいなんて言っていた直哉さんが、こうやって料理をするようになった。
私と暮らし始めたことで、お互いに少しずつ変わっていくのがなんだか嬉しい。

「せっかくのお休みなのに、起こしちゃってすみません」

私がそう言うと、直哉さんは柔らかく笑って首を横に振った。

「今日、前から準備していたウエディングパーティーでしょ?」
「はい。九時ごろに会場のレストランに行って準備をする予定です」

頷くと、直哉さんがこちらに腕をのばす。のびてきた手を見上げていると、ぽんぽんと優しく頭を撫でられた。

「頑張ってね」
「はい!」

今日のために私がずっと準備をしてきたことを知ってる直哉さんは、きっと『頑張って』と言うために起きてきてくれたんだ。直哉さんの優しさに胸が温かくなる。


 
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