極上社長と結婚恋愛
 

今のお店の状態も私ひとりでは正直オーバーワーク気味で、三年を目途に営業形態を考えなきゃと思っていた。今が見直すいい機会だと思って相談してみたら、ふたつ返事でオーケーしてもらえた。

「何年も一緒に働いてきた夏美は信頼できるし、ブーケのほうも手伝ってもらえて心強いし、それに」
「それに?」

言いかけて言葉に詰まると、直哉さんが不思議そうに首をかしげる。
まっすぐにみつめられて、私はうつむいて首を横に振った。

「なんでもないです」

お店のお休みが土日になれば、直哉さんと一緒にいられる時間が多くなるかも、なんて思ったことは、やっぱり恥ずかしくて言えない。

「そっか」

私のへたくそな誤魔化しに、直哉さんは追及することなくにっこりと笑ってうなずいた。

「それに、あずさちゃんと休みが一緒になれば、朝ベッドの中でゆっくりいちゃいちゃできるしね」

爽やかな顔でとんでもないことを言われて、ぶわっと赤面してしまう。

「べ、別にいちゃいちゃしたくてお休みを変更したわけじゃないですからね」

動揺で声を裏返しながら否定をすると、直哉さんはそんな私を見て「わかってるよ」とにっこりと微笑んだ。


……その表情、絶対分かってない。
普段は優しくて紳士的なくせに、直哉さんはときどきすごく意地悪だと思う。



 

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