極上社長と結婚恋愛
……もしかして。
わざわざ直哉さんが私をここに呼んだ理由を想像して、鼓動が早くなる。
中央から外に向け幾重にも重なって開く可憐な花を一輪差し出し、直哉さんがこちらを向いた。
その柔らかい視線に、胸がドキドキと高鳴る。
緊張と幸福感で涙があふれそうになってしまう。
戸惑いながら潤んだ目で見上げると、直哉さんが優しく微笑んだ。
「あずさちゃん。結婚しよう」
穏やかな甘い声でささやかれたプロポーズの言葉に、感激して胸がつまった。
小さなころから私の憧れだった、真っ白なガーデニアの花が涙で潤む。
「……っ」
手で口元を覆って何度もうなずく私に、直哉さんは笑いながら私の頬を優しく撫でガーデニアを耳の上に飾ってくれた。
ふわりとただよう甘い花の香り。
ガーデニアの美しい佇まいや花言葉にぴったりの香りだと思う。
「……直哉さん、ガーデニアの花言葉は知ってますか?」
涙声で問いかけると、直哉さんは首を横に振った。