極上社長と結婚恋愛
「そんな気持ちを知った父が、『もちろんあずさちゃんのこともちゃんと面倒をみるから』って約束をして、プロポーズを受け入れてもらったんだって。晴美さんは過保護なんかじゃなく、優しくて愛情深い人だと思うよ」
どこまでも優しくて私を愛してくれる母と、そんな母に呆れずに、娘の私のことまで面倒をみてくれようとするお義父さん。
きっと私がひとり暮らしをするとわがままを通してしまったら、ふたりは安心できないだろう。
このふたりの幸せを邪魔したくはないし、心配もかけたくない。
だから……。
私はごくりと息をのんで背筋を伸ばした。
「直哉さん、ご迷惑をかけると思いますが、よろしくお願いします」
そう言って頭を下げると、直哉さんは「こちらこそ」と微笑んでくれた。
優しくて甘やかな視線でみつめられ、頬がじわりと熱くなった。