極上社長と結婚恋愛
透かし彫りのダリア
これからここで暮らすことになるんだ……。
私のお店からも、直哉さんの会社からも近いマンション。
社長である直哉さんが暮らしているお部屋だから高級なんだろうな、と覚悟はしていたけれど、実際の部屋は私の想像以上だった。
五階建ての中層マンションが二棟立つ敷地には、エントランスに続く美しいアプローチや、緑に囲まれた住人専用の遊歩道。
入り口にはコンシェルジュがいる上に、共用施設にはジムやパーティールームまであるらしい。
案内されたリビングダイニングで、私は息をのんでいた。
3LDKという部屋数を聞いただけで、ひとり暮らしの直哉さんには十分すぎると思ったけれど、実際はその数字の印象以上にひとつひとつの部屋が豪華で広い。
建物のコーナー部分に当たる二面が大きな窓になっているリビングは驚くほど広く、アイランドキッチンとダイニングスペースを合わせれば三十畳近くありそうだ。
屋外用の籐の椅子とテーブルが置かれた広いバルコニーに、リビングの隣にあるゆったりとした主寝室。直哉さんが仕事部屋にしているパソコンや本棚がぎっしりつまった書斎。広くて清潔なバスルーム。
次々と扉を開け、中を案内してくれる直哉さんについて部屋の中を見て回る。