極上社長と結婚恋愛
 
リビングに入りソファに座った直哉さんに、声をかけた。

「直哉さん、甘いもの好きですか?」
「甘いもの?」
「今日、お店でお客さんにお菓子をもらったんです。よかったら」

工藤さんが『お礼です』と渡してくれた紙袋には、かわいらしいマカロンと木でできたコースターが入っていた。

春らしい淡い色合いのマカロンが詰められた箱と、冷たい紅茶を運ぶ。
ソファの前のテーブルに置くと、直哉さんがグラスの下に敷いたコースターに目を止めた。

「あれ、このコースターどうしたの?」
「これもお客さんにもらったんです。よく来てくれる常連さんが木工の雑貨を作っている作家さんなので、きっと手作りだと思います」

透かし彫りで花の模様が入ったコースター。
大輪のダリアのように綺麗な花びらが幾重にもかさなっていてとても繊細な造りだった。

「手作りなんだ。すごいね」
「すごいですよね」

直哉さんの言葉にうなずきながら、私はさりげなく目をそらす。

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