極上社長と結婚恋愛
リラックスした様子でスーツの上着を脱ぎ、ネクタイを緩める。
その横顔や指が色っぽい。
直哉さんにとってはなにげない動作だというのに、見ているだけでドキドキしてしまうなんて情けない。
ジワリと体温が上がっていく気がした。
「じゃ、私はそろそろ部屋に……」
動揺を悟られないうちに逃げようと思い立ち上がると、直哉さんに腕をつかまれた。
長い指先の感触に、肩が飛び跳ねる。
「こらこら。人が帰ってきた途端、逃げ出さないの」
苦笑交じりに引き留められ、頬が熱くなる。
私の考えてることなんて、直哉さんにはお見通しだ。
「なるべく一緒にいないと苦手克服にならないだろ。せっかくだから一緒に食べよう」
「……はい」
私が小さく頷くのを確認して、直哉さんがつかんだ腕を離してくれた。