極上社長と結婚恋愛
実はネットからの注文は、できたら便利だろうなといつも思っていた。
店頭に来たお客さんとは直接話してどの花を使いたいのか具体的に教えてもらうことができるけど、電話口での注文だと花の好みや希望する雰囲気を聞いても曖昧にしか答えが返ってこなくて困ることがある。
せっかく花束を作るなら、満足してもらえるものを作りたい。
ホームページにいくつか花束の例と、希望する色や雰囲気を選べるような項目を作れば、お客さんだって手探りで電話注文するよりもずっと楽だと思う。
だけど……。
「でも、そんなの頼めません」
困り顔で言うと、直哉さんが首を傾げた。
「どうして?」
「だって、忙しい直哉さんにそんなことを頼むなんて、申し訳ないです」
「気にすることないのに。お店のホームページを作るくらい、そんな手間じゃないし」
「でも、甘えてばかりで悪いです」
「もっと甘えてくれていいんだよ?」
直哉さんは私の答えに不満そうな顔をする。