極上社長と結婚恋愛
ゆっくりと二重の瞳が開き、あたりを見回す。
ぼんやりとした色っぽい視線で腕の中にいる私を見下ろすと、不思議そうな表情で瞬き。
「お、おはようございます……」
身を固くしながらぎこちなく私がそう言うと、まだ覚醒しきってないのかとろんとした表情で笑う。
「おはよう、あずさちゃん」
「……あの、放してください」
おずおずと言いながら、懇願するように直哉さんの顔をみつめる。
ベッドの中で緊張のあまり身動きが取れずにいる私を見て、直哉さんが腰に回った腕に一瞬力を込めた。
ぎゅっときつく抱きしめられびくりと私の肩が跳ねると、すぐに開放された。
「俺、また寝ぼけてた?」
「ね、寝ぼけてました」
私はベッドから転がり落ちるように逃げ出し、床にへたりこんだままぶんぶんと首を縦に振る。