極上社長と結婚恋愛
 

甘く微笑まれて、言葉を無くす。思わず手に持ったフローリストナイフを落としそうになってしまった。

「そ、そうやってからかわないでください……! どういうリアクションをしていいのか困ります」

直哉さんにとってはただの冗談なんだろうけど、男性に免疫のない私には刺激が強すぎてどうしていいのかわからなくなる。
心臓が飛び跳ねて、勝手に頬が熱くなった頬を腕で隠しながら睨む。

「うん。俺もあずさちゃんの反応がかわいすぎて困ってる」

くすくすと笑われて、途方に暮れる。

どうせ直哉さんは私のことを妹だと思って気軽に言ってるんだ。
いちいち真に受けてドキドキしちゃだめだ。
そう自分に言い聞かせる。

「そういうことばかり言っていると、そのうち刺されちゃいますよ」

この調子じゃ、直哉さんの言動に勘違いしてその気になってしまう女の子が、数えきれないくらいいそうだ。


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