極上社長と結婚恋愛
 
何か言いたげなその視線に、少し居心地が悪くなる。
なんだろうと戸惑いながら私が会釈をすると、彼女も綺麗な仕草で頭を下げた。

「直哉さんと仲良くしているか気にしてたけど、無駄な心配だったみたいね」

そう母に言われ視線を窓の外から戻すと、母は店内の花を見ながら嬉しそうに笑っていた。

「ふたりの雰囲気、新婚さんみたいだったわよ」
「新婚さんって……!」

とんでもないことを言われ、思わず頬が熱くなる。

「直哉さんが、すごく気を使って優しくしてくれるから」

動揺を隠しながらそう言って、お互いの近況報告をする。
母も、お義父さんとの生活を楽しんでいるようで、とても幸せそうな表情だった。

「そういえば、あずさ。ひとつお願いをしてもいい?」

改まって言われ、なんだろうと首をかしげる。

「和昭さんが記念に写真を撮りたいって言ってくれてて、せっかくならあずさにブーケを作ってほしいの」

ためらいがちな母の言葉に、思わず身を乗り出した。


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