極上社長と結婚恋愛
家で食事をした後、さっそくブーケづくりの準備にとりかかった。
密閉容器に入れたドライフラワー用の細かなシリカゲルの中に、淡い薄緑色の額の先端に水色が混じるアンティークな色合いのアジサイをそっと埋めていく。
夢中になっているとかたり玄関で鍵の開く音。
慌てて立ち上がると、仕事を終えた直哉さんがリビングに入ってきた。
「あ。おかえりなさい!」
真剣に作業しているうちにこんな時間になっていたんだ。
時計を見上げて驚きながら、花がちらばるテーブルの上を片付けようとする。
「ただいま。いいよそのままで。仕事中?」
「母にブーケと髪飾りを頼まれて」
うなずくと、直哉さんは「あぁ」と思い出したように言う。
「親父から連絡がきた。今度結婚写真を撮るから、ついでに家族でも撮ろうって」
「私、家族写真なんて撮ったことないから、楽しみです」
私の言葉に直哉さんが小さく微笑む。
そして興味津々の表情で私の手元をのぞきこんできた。