極上社長と結婚恋愛
 

「ウエディングブーケは私が花屋を目指したきっかけだったので」
「あぁ。小さい頃に結婚式のブーケトスを見てから憧れてたんだっけ」

些細な会話をきちんと覚えていてくれる直哉さんに、嬉しく思いながらうなずく。

「はい。いつかウエディングのお仕事を任せてもらえるようになるのが夢です」

とはいえ、ウエディング業界は大きな生花店がホテルや式場と契約しているので、私みたいな個人の小さな花屋が請け負うことは難しい。

今は自分にできることを、一生懸命やるしかない。

「そっか。応援するから、頑張ってね」
「ありがとうございます」

私が頭をさげると、ぽんと優しくなでられた。
その指先の感触が気持ちよくてふわっと胸が温かくなる。

男の人に触れられるのは苦手だったはずなのに、いつの間にか直哉さんに触られることが、心地いいと感じるようになっていた。





 

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