極上社長と結婚恋愛
控室に通され中に入ると、ワンピースやアクセサリー、パンプスまで揃えられていた。
「これ……」
「スタジオのスタッフに頼んで、用意してもらった。あずさちゃんに似合うものを選んだつもりだけど、好みに合うかな」
「あ、ありがとうございます! すごく素敵です……」
バトーネックのシンプルな形の膝丈のワンピースは、シャンパンに数滴バラ色を落としたような上品なピンクゴールド。
イヤリングやネックレスは、淡い光を放つ上質のパール。
オフホワイトのパンプスは、足首についたストラップがかわいらしいデザインだ。
「気に入ってくれてよかった」
感激して頬を紅潮させた私を見て、直哉さんが微笑む。
「じゃあ俺は外で待ってるから、着替え終わったら声をかけて」
私が頷くと、直哉さんが扉を閉める。
控室にひとり残され、ほぉーっとため息をついた。
優しくて気が利いてかっこよくて、なにからなにまで完璧なんてちょっと反則だ。
直哉さんのスマートな気遣いに、自分の至らなさが余計に情けなくなってしまう。