cafe レイン
仕事終わり。
駅に着いてから私はケイタイを取り出した。それから画面を見て目を瞠る。
【丸山:着信】
電話があったのは午後四時頃。お店が落ち着いた時間だったのかもしれない。
こっちから電話をかけるか悩んでいたら、ケイタイが震える。
「わ」
びっくりして思わず声が出た。相手は丸山さんだった。少しだけ震えてそれはすぐ止まった。
ドキドキしながら私は画面を食い入るように見つめる。すぐにきたメッセージ。
【今日は出てくれると思ったんですけど、やっぱり出てくれないですね】
今日は……?
彼は何度も私に電話をくれていたのだろうか。今日だけじゃなくて、何度も?
鼓動がどんどんと速くなっていく。
私は震える指で通話ボタンを押した。プルルとコール音が鳴ってすぐに彼の声がした。たったワンコール。
『小野寺さん!?』
焦った様子の彼の声にするすると口角が上がっていく。
「はい、そうです」
『よかった、やっと繋がった』
「電話、出れなくてすみません」
『いや、いいんです。ごめんなさい、忙しかったですよね』
それにチクリと胸が痛んだ。私を気遣ってくれているのに。丸山さんはいつだって私を気にかけてくれていた。
風気味だった私にミネストローネじゃなくて、生姜の効いたスープを出してくれた時から。
ちゃんと、私は丸山さんに伝えないといけない。
どういう気持ちでいるかとか。直接。
すうっと息を吸い込むと、私は心を落ち着かせて口を開いた。
駅に着いてから私はケイタイを取り出した。それから画面を見て目を瞠る。
【丸山:着信】
電話があったのは午後四時頃。お店が落ち着いた時間だったのかもしれない。
こっちから電話をかけるか悩んでいたら、ケイタイが震える。
「わ」
びっくりして思わず声が出た。相手は丸山さんだった。少しだけ震えてそれはすぐ止まった。
ドキドキしながら私は画面を食い入るように見つめる。すぐにきたメッセージ。
【今日は出てくれると思ったんですけど、やっぱり出てくれないですね】
今日は……?
彼は何度も私に電話をくれていたのだろうか。今日だけじゃなくて、何度も?
鼓動がどんどんと速くなっていく。
私は震える指で通話ボタンを押した。プルルとコール音が鳴ってすぐに彼の声がした。たったワンコール。
『小野寺さん!?』
焦った様子の彼の声にするすると口角が上がっていく。
「はい、そうです」
『よかった、やっと繋がった』
「電話、出れなくてすみません」
『いや、いいんです。ごめんなさい、忙しかったですよね』
それにチクリと胸が痛んだ。私を気遣ってくれているのに。丸山さんはいつだって私を気にかけてくれていた。
風気味だった私にミネストローネじゃなくて、生姜の効いたスープを出してくれた時から。
ちゃんと、私は丸山さんに伝えないといけない。
どういう気持ちでいるかとか。直接。
すうっと息を吸い込むと、私は心を落ち着かせて口を開いた。