cafe レイン
「ごめんなさい、丸山さんが可愛くて」
「いい年した男に可愛いはダメでしょ」
困り顔の丸山さん。
「そうですか?」
私がわざとそう言うと、丸山さんは口を尖らせて拗ねていた。
上着を脱いで私達はベッドの上に並んで座った。先に口を開いたのは丸山さんだった。
「楓。俺がどれだけモテようとも、興味ないから。ミーハーで声をかけてくる子は苦手だし」
「私も好きだったんだからミーハーじゃないですか?」
「楓は違うし。てか、きっかけがなかったら俺から話しかけていたかもだから」
「そんなことあったら舞い上がっただろうなあ」
「……俺は舞い上がってたよ」
恥ずかしそうに、だけど、すごく嬉しそうに彼は笑った。
彼から話しかけられるっていう夢みたいな経験もしてみたかったけど、丸山さんの嬉しそうな顔を見れたからよしとする。
どちらからともなく、私達は唇を重ねた。
すごく、すごく幸せだって思った。
これから大好きな丸山さんと。
――――大切に、大事に、愛を育んでいきたい。