cafe レイン

「だから、それはわかってるの。でも、難しいからどうしたらいいか悩んでいるのに」


私が答える前に律ちゃんがそう言った。それに沖くんが腕を組み、考える仕草を見せてから口を開いた。


「なんか、二人とも難しく考えすぎじゃないですか」

「どういうこと?」


沖くんの言葉に、私と律ちゃんが顔を見合わせ首を傾げた。


「そんないきなり告白だ、なんだじゃなくて……、そう、友達になるんですよ。友達。
現状顔見知り程度ってことですよね。そこから少し先に進むんです。
そうですね、例えば今日寒いですね~とか、雨嫌ですね~とか、そんな程度でいいんですよ。最初は」

「なるほど」


顎に手を持ってくると私は頷いた。

私と律ちゃんは先を考え過ぎていたのかもしれない。
ゼロか百かしかなかった。振られたら終わり。そうじゃないんだ。

相手をまず知ってからでも遅くはないんだ。
だって、私は彼のことをなにも知らないのだから。
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