cafe レイン
「急に好きだとか告白するなんて、漫画の世界じゃないんですから。俺だって無理ですよ。
ただ、そうやって話をするだけなら簡単じゃないですか?」
「うん。出来そうな気がして来た」
「はあ~沖、年下なのになんか私達と経験値が違うんだけど」
どうやら、律ちゃんは納得いかないようだった。
まともなアドバイスがただ気に食わないだけだろうけど。
「まあ~俺モテますからね」
「うっわ、また嫌味だ」
あからさまに顔を歪めた律ちゃんは、レモンサワーを飲む。
あははと笑いながら私は言った。
「でも、モテるよね。沖くん」
「私は認めないからね。なんで沖がモテるのか」
「律ちゃんは体格いい人好きだもんね」
「そう。こないだ見たプロレスの試合がさ、最高で」
目をキラキラとさせる律ちゃん。私はプロレスなんてこれっぽっちもわからないけれど、律ちゃんが楽しそうに話すからうんうんと頷きながら話を聞いていた。
彼氏も写真だけ見たことあるけど、クマさんみたいな男性だ。おっきくて、体格もよくて、守ってくれそうな人。