cafe レイン

「えっ」

「あそこ甘いの何かあったよね」

「うん。ホットケーキあった気がする」

「それ食べる。たくさん食べる。彼のとこ泊まったからお弁当作っていないし」

「あ、そっか」


珍しいと思ったけど、その話しを聞いて納得だ。お弁当を作ることが出来なかったのなら仕方がない。


「そうと決まれば仕事仕事。頑張るぞー」


完全に棒読みだった律ちゃんに苦笑しながら、私も仕事をするべくパソコンに向き合った。
それからお昼になるまで、ずっと私はキーボードを叩いていた。給料計算といっても電卓で全て計算しているわけではない。出勤日数、出勤時間を打ちこむと自動的に計算してくれる。
だから、私はひたすら数字を打ち込むだけだ。


お昼のチャイムが鳴ったと同時に、大きく息を吐くと私は背伸びをした。やっぱりずっと数字とにらめっこしていると、肩が凝るなあ。
それに、間違えちゃいけないから自然と眉間に皺が寄っている……ような気がする。
給料計算はたった一時間分でも間違えたらいけないし、神経を使う。


早く丸山さんに会いたいな。
疲れた時こそ、癒しが必要だ。丸山さんの存在は私にとっての癒しになっていた。

< 45 / 144 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop