cafe レイン
「ありがとう、沖くん」
と、私も微笑み返す。
「なんかトントン拍子で進み過ぎじゃない? そりゃ二人がくっつくのなら嬉しいけど」
笑顔の私達とは反対に、律ちゃんだけ真面目な顔で唸った。
「心配し過ぎじゃないですか。大石さん。恋愛なんてそんなもんだったりしません?」
「んん、確かにそうなのかもしれないけど。あ、応援していないわけじゃないよ! 私は楓が悲しむ姿は見たくないってだけだから」
沖くんの言葉に眉間に皺を寄せたまま口を開く律ちゃんはハッとしてから、私をフォローするように笑顔を作る。
律ちゃんはただ私を心配してくれているんだ。丸山さんと花さんが話しているところを見たのは律ちゃんだから。
「ありがとう。さすがの私もこれですぐに付き合えるだなんて思っていないよ、でもやれるだけやってみる」
「楓……頼もしくなって」
自分の気持ちを伝えると、目をウルウルとさせながら律ちゃんは私の両手をぎゅうっと握った。
頑張るよ、律ちゃん。後悔しないように。