cafe レイン
本当に日替わりの内容に、食べる楽しみ、頼む楽しみがある。そこに安定した味のコーヒーがある。
もちろん以前食べた味もあるけれど、挟むパンが変わっていたりして本当に同じサンドウィッチは一つもないのでは?って思うほどだ。
「実は前まで毎週曜日ごとに同じ内容出していたんですよ。仕入れも楽だし」
「そうだったんですか?」
私が通う前はそうだったんだ。初めて知った。
「けれど、毎日通ってくれるお客さんが現れてからは飽きさせないために中身を考えるようになって、毎日美味しそうに食べる姿を見てから考えることが楽しくなっていったんですよね」
「え、……それって」
ドクンと胸が鳴る。立ち止まった丸山さんが私の方へ体を向けると、ニッコリと笑う。あまりにも優しい表情に鼓動が速くなっていく。
「はい、小野寺さんがいたからです」
どうしよう。凄く凄く……嬉しい。丸山さんに会いたいって不純な動機も含まれていたけど、純粋にレインのランチが食べたくて通っていたから。
私が通うことが彼のモチベーションになっていたのかと思うと、嬉しい以外の言葉が思いつかない。
「実は小野寺さんのだけ具多めとかサービスしていたんですよ。あ。周りには内緒ですよ」
丸山さんが人差し指を立てて、しーってすると軽くウインクをする。