cafe レイン
「わあ」
思わず感嘆の声が漏れた。女の子ならどうしたってこういうのはテンションが上がる。
「甘いの得意じゃなかったらどうしようって思っていたけれど、昨日ホットケーキ食べているの見たから」
律ちゃんにもらったやつ。見られていたんだ。
気恥ずかしさで口を尖らせながら少しだけ責めるようい言った。
「見ていたんですか」
「ごめんなさい。一応、オーナーなのでお客さんには気を配っていないと」
まったく悪びれた様子もなく丸山さんは笑った。
「食べてもいいですか?」
「もちろんどうぞ」
ナイフとフォークを手にして、私はゆっくりとクレープ生地を一口大に切り、フルーツと一緒にフォークに差した。それからソースを絡めて口へと持っていく。
甘さといちごの酸っぱさが口の中に広がる。
「すっごく美味しい!」
「はは、よかった」
ホットケーキだったらボリュームあったかもしれないけれど、クレープだったからぺろっと私は平らげてしまった。
甘いデザートにブラックコーヒーがよく合う。