cafe レイン


「わあ」


思わず感嘆の声が漏れた。女の子ならどうしたってこういうのはテンションが上がる。


「甘いの得意じゃなかったらどうしようって思っていたけれど、昨日ホットケーキ食べているの見たから」


律ちゃんにもらったやつ。見られていたんだ。
気恥ずかしさで口を尖らせながら少しだけ責めるようい言った。


「見ていたんですか」

「ごめんなさい。一応、オーナーなのでお客さんには気を配っていないと」


まったく悪びれた様子もなく丸山さんは笑った。


「食べてもいいですか?」

「もちろんどうぞ」


ナイフとフォークを手にして、私はゆっくりとクレープ生地を一口大に切り、フルーツと一緒にフォークに差した。それからソースを絡めて口へと持っていく。
甘さといちごの酸っぱさが口の中に広がる。



「すっごく美味しい!」

「はは、よかった」


ホットケーキだったらボリュームあったかもしれないけれど、クレープだったからぺろっと私は平らげてしまった。
甘いデザートにブラックコーヒーがよく合う。

< 76 / 144 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop