cafe レイン

「ごちそうさまでした。これお店に並ぶんですか?」

「もう少しソースとかフルーツ抑えたものを考えているんですけどね。ホットケーキだとランチと一緒に頼めないですから」

「じゃあ今食べたのは特別仕様ですか」

「そうなります。小野寺スペシャルですね」


ふふっと肩を揺らして笑った丸山さん。きゅうっと胸が締め付けられる。
好きって気持ちがこんなにも毎日更新されていくなんて思わなかった。


「反応も上々だし、これお店に出そうかな」


丸山さんは空になったお皿を手に取ると、シンクへと下げる。


「美味しくて毎日食べたくなっちゃいます」

「はは、それは嬉しいな」

「でも毎日はさすがに太っちゃうかな」


サンドウィッチとプラスして食べるにはカロリーが高すぎる気がする。
食べたいけどご褒美として食べるしかないかも。

ううん、と唸っていると丸山さんが

「小野寺さん、もう少し太ったって大丈夫ですよ」

と笑った。更に「もう少し太った方が俺好みです」と付け加えて。


それに心臓が大きく跳ねた。二人でいる時にそういう発言は本当に困る。
さっきの丸山さんが言った言葉には私も含まれているはず。俺目当ての客は迷惑だって。
なのに、こういうことを平気で言うから私はどう反応したらいいのかわからない。

その時、彼のケイタイの着信音が店内に響いた。

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