cafe レイン


「定食屋行こうって言って誘ったのに、クレープだけってご飯じゃないですよね。まだ食べられそうならどこか行こうかと」

「大丈夫です」

「よかった。それじゃあ、少し片付けちゃいますね」


そう言うと、私の目の前にあったカップを下げてささっとスポンジで洗った。
cafeレインを後にする私と丸山さん。


「こっちです」

お店の鍵を閉め終わった丸山さんは、向かう方向を指さす。丸山さんの隣を並んで歩くと彼が口を開いた。


「小野寺さん、お休みの日って何してますか?」

「お休みですか?」


私が首を傾げると、丸山さんはこくりと頷く。


「う~ん、家にいることが多いかもしれないです」

「そうなんですか? あ、読書ですか」


丸山さんは閃いたかのように目を輝かせる。


「はい、読書もしますよ。コーヒー片手にソファに座りながら読んだりするのって至福です」

「あ~~わかります! 俺も好きです」


私の返答に嬉しそうに答える丸山さん。目じりに皺を寄せて笑うのが凄く素敵だなって思った。


「家でまったりと過ごす時間すごく好きなんですよね。ま、俺が出不精っていうのもあるんですけど」


そうやって丸山さんは頬を掻きながらははって笑う。丸山さんが自分と同じような考えだって思ったら嬉しくなった。

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