cafe レイン

「あははっ、思ってないですよ」

「本当に?」

「本当に。むしろ、想像通りです」

「む。それはそれでちょっとどうなんだろうか」


腕を組んで難しい顔を見せる丸山さんに私は更に笑った。


「あ、何飲みますか」

「レモンサワーでお願いします」

「了解」

テーブルに設置されているタッチパネルを慣れた手つきで操作する。飲み物一覧を開くとレモンサワーを選択する。
彼は生ビール。


「食べたいのあります?」

「ん~、たこわさとかあれば」

「いいですね。色々頼んじゃいましょ」


たこわさにポテトフライ、ほっけなど居酒屋定番メニューを頼む。
すぐに飲み物が運ばれてきて私と丸山さんは互いにドリンクを持った。


「お疲れ様です。乾杯」

「乾杯」


ごくっとレモンサワーを一口飲むとグラスを置く。対照的に丸山さんはごくごくっと豪快に生ビールを喉に流し込んでいた。


「いい飲みっぷりですね」


思わずそう声をかける。もう半分なくなっていた。


「いや~美味い。生きてますよね」

「はは、私ビール得意じゃないので美味しそうに飲んでるのうらやましいです」

「苦手な人も多いですよね。あ、会社勤めだと飲みニケーションみたいなのもあるんじゃないんですか」


しかめっ面で丸山さんが尋ねる。

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