ハイスペック男子の憂鬱な恋愛事情
いつか知ることなら、今嘘をついても無駄だよね。
腹を決めたわたしは、できるだけ明るく真実を伝えてみる。
「うん。先週しょうこちゃんがさー、官能的でエッロイの、油絵で二作品、急ぎで仕上げてって言うからー」
あわよくば気付かないで貰えたら、という、少しのこの後に及んだ気持ちと、気付いた時の反応が見たい!という、ほとんど全てを占める気持ちで彗大をじっと見つめる。
「先週って、まさか、これ、」
「ふふ、キス、超エロいよね、“彗大”」
「!」
ああ、本当に期待を裏切らない反応に吹き出しそうになる。
頭が良い彼の考えることだ。
うっかりもう一作品に興味を持ってしまって
「二作品って、あと一作は?」
「只今模索中」
真っ白なキャンバスを見て、きっと後悔する。
「………。」
「ねーまけぃた」
「なんだよ」
きっと軽いお願いに一度はバッサリ断られるんだろうけど。
「とりあえずなんかエッロイ声出して?」
「バカかお前は」
そこから悶々と自分の関われない作品にも納得がいかなくなってきて、紆余曲折したあとは絶対、
「……で、どーいう感じのが描きたいんだよ」
うん、協力してくれるだよね。
腹を決めたわたしは、できるだけ明るく真実を伝えてみる。
「うん。先週しょうこちゃんがさー、官能的でエッロイの、油絵で二作品、急ぎで仕上げてって言うからー」
あわよくば気付かないで貰えたら、という、少しのこの後に及んだ気持ちと、気付いた時の反応が見たい!という、ほとんど全てを占める気持ちで彗大をじっと見つめる。
「先週って、まさか、これ、」
「ふふ、キス、超エロいよね、“彗大”」
「!」
ああ、本当に期待を裏切らない反応に吹き出しそうになる。
頭が良い彼の考えることだ。
うっかりもう一作品に興味を持ってしまって
「二作品って、あと一作は?」
「只今模索中」
真っ白なキャンバスを見て、きっと後悔する。
「………。」
「ねーまけぃた」
「なんだよ」
きっと軽いお願いに一度はバッサリ断られるんだろうけど。
「とりあえずなんかエッロイ声出して?」
「バカかお前は」
そこから悶々と自分の関われない作品にも納得がいかなくなってきて、紆余曲折したあとは絶対、
「……で、どーいう感じのが描きたいんだよ」
うん、協力してくれるだよね。