儚き夢…
『気を付けろよ…?』
そう言った夜市の目は少し赤くなっていた。
「私は死なないわよ。だから大丈夫。」
そう言って私は付けていた簪を夜市に手渡した。
『どういう事だ…?』
夜市は低い声を出した。
「“形見”じゃ無いわよ。また取りに帰って来るから無くさないで持っていてくれる?それが無いと髪がとめられ無いんだから。」
私は長い黒髪で少し顔を隠して隠れ家を出た。
向かうは新撰組の屯所。
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