占いのお陰でシンデレラになれました!~奇跡の偽装結婚
「ねぇ…あかねさん…
あなたは、我が家のおかしなルールを知ってる?」

「え…もしかして、10歳の誕生日の…あれですか?」

「そう。あの時…僕は公園を作ったんだ。
みんなで遊べるところが良いと思ってね。
なんたって、10歳の子供だったからね。
でも、遊具は意外と高くて、ブランコと滑り台を買ったら、お金はほとんどなくなってね…
なんとも殺風景な公園になったよ。」

「あ、あの…確か、10歳になったらそれからお小遣いはもらえないんじゃ…」

「そうなんだ。なのに、僕は収入にはならない公園なんてものを作ってしまった。
本当に馬鹿だよね。」

「それじゃあ、困られたんじゃないですか?」

「確かに両親はそれからお小遣いをくれなくなったけど、何か欲しいものがる時は、祖父母がこっそり買ってくれたんだ。
多分、両親もそのことには気づいていたと思うけど、何も言わなかった。」

「そうなんですか…」

ちょっと意外な気がした。
あのお父さんが、そんなことを黙認するなんて。
なんだかすごく厳しそうなのに…



「父は僕には期待してなかったんだよ。最初から。」

「え?」

「僕に才能がないことを、父は最初から見抜いてたんだ。」

優紀さんは寂しそうにそう言った。
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