占いのお陰でシンデレラになれました!~奇跡の偽装結婚




それからも、那月さんは忙しくしてて…
相変わらず、朝早くに出て行って、夜遅くに帰って来る日が続いた。



でも、気持ちはそれなりに落ち着いていた。
とりあえず、疲れすぎて那月さんが体を壊さなければそれで良い。
私の心配はただそれだけだった。



そんなある日の朝…



「今夜は、外で夕食を食べよう。」

「え?!」

一緒に朝食を食べるのも久しぶりだったのに、夕食も…?



「優紀も来るから…」

「そ、そうなんですか…」



きっと、何か進展があったんだ…
直感的にそう感じた。
でも、那月さんの雰囲気は暗くもないし、そう悪い報告ではないんじゃないだろうか?



もしかしたら、この家の買い手がみつかったとか…そういうことかもしれない。
それはちょっと寂しいけど、そのお金で優紀さんの損失を穴埋め出来るのなら…
やっぱりそれは良いことだよね。



うん、こういうことは早い方が良い。
なんだかんだ言って、もう何か月もかかったもの。
いや、このくらいで解決するっていうのは、まだ早い方なのかもしれない。
ケースによっては何年もかかることだってあるかもしれないもの。



とにかく、今夜を待とう…
ほんの数時間のことだけど、時間の過ぎるのがもどかしくてたまらなかった。
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