占いのお陰でシンデレラになれました！～奇跡の偽装結婚

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「もう来てたのか…早かったな。」

「はい。」



那月さんが指定したのは、何度か行ったことのあるレストランだった。
落ち着いた雰囲気のフレンチのお店で、奥が個室になっている。



「優紀もそのうち来るだろう。中で待っていよう。」

私達は店の中に入った。
今日も当然、奥の個室が予約してあった。



私達が席に着いて五分もしないうちに、優紀さんが部屋に入って来た。



「早かったんだね？」

「俺達もついさっき来たところだ。」

「そうか…あかねさん、こんばんは。」

「こ、こんばんは！」



優紀さんも表情は明るい。
やっぱり、今日は悪い報告じゃないという印象が強くなった。



三人で食事を始めた。
もしかしたら、こんな贅沢な食事をするのも、そろそろおしまいかもしれない。
せっかくテーブルマナーを覚えたっていうのにもったいないような気もするけど、でも、私はファミレスも好きだから。



「あかね…ようやく、決着が着いた。」

那月さんがぽつりと呟く。



「決着が……？」

来た！やっぱり、今日はその話だったんだ。
私は期待と不安にどきどきする胸を懸命に抑えた。